はるのねいろ

まめたろうとこまめの成長記録です。

家事はいつから「お手伝い」ではなくなるのか②(親業修行中)

まめたろうが「お小遣い制」になって、約1か月がたった。色々と気づきもあったので、メモしておきたい。

 

もともと、こめさんとも、「家事労働に給料を払う」ということについては同意しており、いつからどのように?ということをときどき話し合っていた。「お友達がお手伝いポイントをためて欲しいものを自分で買っているみたいだから、僕もやりたい」との要求を受け、予定よりも早く開始となった。

 

基本ルールとしては、①お手伝いは自分のことをやってから、②一週間ごとに給料を渡す、ということ。そして、「まいにちできるお手伝い」「ときどきのお手伝い」の2つに分け、お手伝いの内容に応じて、「5円~50円」と金額の設定をして開始した。簡単なものを5円、大変そうなものを50円、と設定したのである。

 

そして、少し考えればわかることだが、だんだんやるお手伝いが決まってきた。毎日できるお手伝いは簡単なものが多いので、金額が安く、ときどきのお手伝いは大変なものが多いので金額が高い。結果、「毎日のお手伝い」<「時々のお手伝い」という感じで、なんなら「毎日のお手伝い」はされなくなりつつあった。

 

ここでこめさんと会議をして、この「お手伝い制度」の目的を共有した。「自分で働いて欲しいものを買うという体験をすること」は共通していたものの、私のほうは「お手伝いを通して家事をできるようになる」という目的も考えていたことが明らかになった(無自覚だったが、やってみて気づいた)。家事をできるようになる、も確かに大事だろうということで、それも新たに目的として設定し、そう考えると、内容によって価格を変えるというのは違うのではないか、となり、「一律20円」で見直しとなった。

 

一律20円になったことにより、彼は「毎日のお手伝い」「時々のお手伝い」両方をまんべんなくやっている。一方、苦手なこと・やりたくないこともあるんだな、ということも見えてきた。「洗濯物をたたむ」はまるでやらないので、母ちゃんと一緒だなと思う(笑)。

 

今回の「お手伝い制度」を通して、家庭内労働について改めて考えせられた。そもそも、この「お手伝い制度」をしようと思ったのは、「子どもの予算計画」という実践があり、それを参考にしたものだった。その取り組みの中では、「子どもが家事労働で搾取されている」ということが指摘されていて、まさに私も搾取していたな…と思うのだ。「5円」という価格設定をしたのは私であり、その設定の背景には、「それくらい家のことなんだからして当然」という気持ちがあったように思う。

 

「お手伝いにお金をつける」ということ自体は真新しいことではない。一方でこの取り組みに対してよく言われるのは、「お金を出さないとお手伝いしなくなるんじゃないか」ということで、それはこれを始める前にもこめさんとよく話していた。でも、これも改めて考えたのだが、「無給(ボランティア)で働くことがよい、給料が安くても120%で働くことがよい、という価値観があるんじゃないか?労働に対してちゃんと対価は支払われるべきだよね?」ということだ。

 

子育て視点で長い目で見れば、彼がこの取り組みを通して家事をできるようになってくれればOK、と思っている。彼が自分で生活をするようになったとき、彼が困らないことが目標だ。そのときにはそれはもう「自分のこと」なので、「お金をもらえないから家事やらない」にはならないんじゃないかと思われる。あるいは、「苦手な家事はアウトソーシングする」になっても、それもそれで判断としてはありだと思われる。…という観点から考えると、現時点で「お金を得るために家事をする」というのは、理にかなっているのではないか。できるようになればいいんだから。

 

また、給料と労働の関係についても適宜、お互いに考えあえたらいいなと思っている。一律20円になる前に、彼から「これが5円は安すぎる」との労働交渉があった。そしてそれは確かにそのとおりだったため、給料を上げるということがあった。一方、雇用者側としても、労働者の意向を聞くことって大事だなぁ、やりたくないことにはちゃんと給料を出さないといけないんだなぁ、結構子どもを家事労働に自由に使って、搾取しようとしちゃうもんなんだなぁ…などと、色々と思ったのだった。「大人は大人の都合で子どもを働かせている」というのが「予算生活」の中であったけれども、本当にその通りだな、ということに気づく機会だった。

 

さて、彼はというと、最初は「自分のお金で何かを買う」ことが嬉しくて、100~200円のものを買っていた。ただ、そうやって使うとお金がたまらないこと、高いものを買おうと思うとためる必要がある、ということにも一方で気づいたようだ。少し高めの欲しいものが見つかって、彼は今それに向かって貯めている途中。自分で買った消しゴムなどを見て、「これで使ってなければ今〇円だったんだよね。だからまずその分をためなくちゃ」と話している。お互いの状況を見ながら、また適宜、この制度は見直していく予定だけれども、現時点ではこの制度設計でよさそうだ。